常日頃から音楽をよく聞く方であれば、「JASRAC」という団体の名称は聞いたことがある人も多いでしょう。
最近では音楽教室からの著作権料徴収で話題に上がることが多いです。
今回はJASRACに関する以下の内容について紹介していきます。
- 活動内容や組織の実態
- 平均年収・給料
- 求められている人材・人物像
- 口コミ・評判
- 転職するコツ
この記事を読むことで、あなたがJASRACに就職・転職してよいのかがわかるようになりますので、ぜひご参考ください。
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JASRACとは
JASRACとは、正式名称を「一般社団法人日本音楽著作権協会」といいます。
その名の通り、音楽にかかる「著作権」を管理することを事業としており、国内はもとより海外の著作権団体とも提携し、広く活動を展開しています。
一般社団法人とはとどのつまり非営利法人の一種ですから、上場もしていませんし、例えばそこで働く人たちの年収といったお金にまつわることも中々外からは想像できない部分が多々あります。
ここでは、JASRACの実態や事業内容についてお伝えします。
JASRACの組織・団体情報
団体名 | 一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC) |
---|---|
所在地 |
本部 / 東京都渋谷区上原3-6-12 支部 / 全国主要都市に14支部
|
設立 | 1939(昭和14)年11月18日 |
代表者 | 理事長 浅石道夫 |
職員数 | 512人(男性322人、女性190人)[2021年4月1日現在] |
信託契約数 | 19,133件[2021年4月1日現在] |
事業の目的 | 音楽の著作物の著作権を保護し、あわせて音楽の著作物の利用の円滑を図り、もって音楽文化の普及発展に寄与すること |
使用料徴収額/分配額(2020年度実績) |
徴収額 112,649,150,535円 分配額 120,634,821,520円 |
正味財産 | 614,035千円(2021年3月末日現在) |
外国団体との契約 | 126団体(96ヵ国、4地域)[2021年4月現在] |
JASRACの事業内容
JASRACの事業内容は次のとおりです。
- 音楽の著作物の著作権に関する管理事業
- 音楽著作物に関する外国著作権管理団体等との連絡及び著作権の相互保護
- 私的録音録画補償金に関する事業
- 著作権思想の普及事業、音楽著作権に関する調査研究
- 音楽文化の振興に資する事業
詳しく言うと、JASRACは著作権管理事業者として、著作権者から信託譲渡された著作権の全部または一部を管理する立場にあります。
著作物の使用者からは著作権使用料を徴収し、一定の管理手数料を差し引いたうえで著作権者に年4回分配しています。
著作権使用料の徴収相手は、レコード会社をはじめとしてテレビやラジオの放送局、映画製作会社やコンサートなどのイベント主催者、カラオケボックスやクラブやスナックなどの飲食店舗に至るまで、広い範囲の音楽使用者に及んでいます。
このように、管理手数料がJASRACの主な収益となっているのです。
また、その活動範囲は日本のみならず世界にも及んでおり、126にも及ぶ著作権管理団体とネットワークを構築し、それぞれのレパートリーを相互に管理しあっています。
JASRACでの年収・給料はどれくらいですか?
さて、JASRACで働く職員の年収はどのくらいなのでしょうか。
通常の上場企業ですと「有価証券報告書」等に従業員の平均年収が記載されているのですが、一般社団法人であるJASRACからはそうした報告書が発表されていません。
ではまったく分からないのか、というと必ずしもそうではなく、「推定」は可能です。
JASRACのホームページでは「情報公開」のページがあり、そこには「2020年度事業報告」と「2021年度事業計画・収支予算」がアップされています。
前者によると、JASRACの従業員数は2020年度3月末時点で嘱託職員含め504人(嘱託職員を含む。内訳:本部333人、支部171人)とあります。
また後者の資料において、2021年度の職員の給与の予算は年間で「3,517,878千円(35億1,787万8,000円)」とあります。
給与の予算額を職員数で割ると、約698万円という数字が出てきます。
あくまで予算額ですし、推定の範囲内ではありますが、JASRACの職員の平均年収はおおよそ700万円あたりと考えられます。
しかもこの数字は嘱託職員の人数も含めたものですので、正規職員の年収は700万円を相当程度超えた水準にあると推測できます。
団体の性質上、特定の業界内で比較するのは難しいですが、平均年収700万円以上となれば、これは全業種においても高い数値といって差し支えないでしょう。
参照:情報公開 JASRAC
JASRACの月給
JASRACの具体的な月給は公表されていませんが、新卒の初任給実績は公表しています。
修士了:月給22万1670円(基本給20万370円+住宅手当1万3700円+社会保険手当7600円)
大卒の月給は20万円余りで修士了でも22万円あまりと高くはありません。
JASRACが必要としている人材とは
では、JASRACではどのような人材を必要しているのでしょうか。
そもそもJASRACではどのような業務が行われているのか、あまりイメージがわかないというのが多くの人の本音でしょう。
JASRACの正式名称は、冒頭で記した通り「一般社団法人日本音楽著作権協会」です。
あまねく音楽に関し、作曲家や作詞家にいわゆる「著作権」が認めらることは広く知られていることですが、この著作権を作曲家や作詞家から「委託されて管理している」のがJASRACなのです。
音楽は、コンサートやカラオケは言わずもがな、昨今においてはネット配信など非常に多様な場面・メディアにおいて使用されています。
自分以外の誰かが生み出した音楽を用いる場合、基本的には著作権者に対して手数料を払う必要があります。
JASRACのコアたる事業は、こうした音楽の著作権にまつわる手数料等の流れを一元的に集約・管理し、音楽のスムーズな流通をサポートすることなのです。
では実際にこれらの業務に携わるうえで、JASRACはどんな人物像を想定しているのでしょうか。
JASRAのサイトの「採用情報」ページから確認できる「採用Q&A」(新卒採用ページ)には、次のような部分があります。
「Q・どのような人物を必要としていますか?」
「A・コミュニケーション力+論理的思考力+問題解決への行動力。これらがキーワードです。皆さんの魅力を存分にみせてください。」参照:採用Q&A
必要な能力として、
- 「コミュニケーション力」
- 「論理的思考力」
- 「問題解決への行動力」
が挙げられています。
コミュニケーション力に関しては、実際のアーティストはもちろん、海外の団体とも折衝が必要になるという点をふまえているのでしょう。
また論理的思考力に関しては、著作権という法律上の概念が事業のコアにあるため、その扱いを厳密に行える能力を指していると考えられます。
そして問題解決への行動力は、近年インターネットの急速な普及とともに音楽が多様なシーンで用いられるようになったため、そのような「新しい場において」著作権をどのように保護すべきか、しかるべき方法を導き出せる人材、という意味でしょう。
いずれにせよ、土台は合理的な考え方ができ、著作権という難解な概念を適切に運用できる高い思考力と実務遂行能力を備えた人物が求められていると考えられます。
音楽に愛があり、論理的思考力が高い人であればチャレンジの価値あり
JASRACで働くうえでは、「音楽」と「法律」がキーワードになりそうです。
もちろん職員自身が音楽や詞を作るような「業務」はないと思われまかが、やはり音楽にまつわる仕事である以上、そこに対する情熱がないと働く意味を見失いがちになるのではないでしょうか。
一方、音楽という“アート”の対極にあるような「著作権」=「法律」を適切に管理することがJASRACの事業の根幹です。
司法試験の難易度を引き合いにだすまでもなく、法律は非常に難解で扱いの難しいものです。
だからこそ、法律を扱ううえで求められる論理的思考力に自信がある人であれば、JASRACはチャレンジしがいがある団体といえるでしょう。
JASRACで行っている採用活動
JASRACのホームページにおける「採用活動」のページでは、新卒採用の情報のみが確認でき、現在中途採用を行っているかは不明確です。
新卒採用の募集要項等をみると、
- 業務部門
- 管理部門
- 総務部門
の3部門に配属可能性のある総合職採用として15名程度が予定されているようです。
新卒として入職する時点においては特別な知識や資格等が問われているわけではないようですが、前述の採用Q&Aのページを今一度確認すると、とりわけ法律に関しては「十分に理解できる能力」がマストなようです。
著作権を扱うビジネスである以上、これは当然といえるでしょう。
中途採用を想定した場合はなおのこと、法律に関しては一定の知識レベルが求められると考えてよさそうです。
JASRACの口コミ・評判
ネットで調べたところ次のような口コミや評判が見られました。
合理性や採算性以上にコンプライアンスを尊重する傾向がある印象です。
法律を扱うので、何よりも法律を意識した行動が求められます。
ただ、ブロックチェーンの技術によって長い目で見れば存在を問われることになるかもしれません。
そつなくこなすタイプの方にむいているのでは。
社団法人で、著作権という法律に関わる仕事をしている組織なので、公務員的な雰囲気がある職場のようです。
しかし、長期的な目で見るとブロックチェーン技術の進展によっては事業の拡大が難しくなる組織になる可能性がありそうです。
JASRACへの転職難易度
JASRACへの転職難易度を高めです。
難易度が高い理由としては以下の点が挙げられます。
- 新卒採用を重視しており、中途採用はそこまで積極的でない。
- アジア地域への進出も検討している向きがあり海外経験などが重視される可能性がある。
- 500名程度の組織であり、業務範囲のわりに少数精鋭の組織のため中途採用はそこまで多くない。
JASRACは新卒を積極的に行っている反面、中途採用はそこまで重視しておらず生え抜きの人材で構成されている印象があります。
公務員的な雰囲気の組織なので、採用面でも行政の組織のような採用を行っています。
JASRACへの転職成功確率をアップさせる唯一の方法
JASRACへの転職成功率をアップさせる唯一の方法は、転職エージェントの利用です。
転職エージェントを利用する理由は次の3点になります。
- JASRACは行う非公開求人が得られる可能性
- JASRACのような社団法人に特化した職務経歴書の作成や面接対策が受けられる
- JASRAC入職前の待遇交渉も代行してくれる
JASRACへの転職は独力で困難なことも少なくありません。
そう言った狭き門をより有利に進めるには転職エージェントの利用がおすすめです。
JASRACへ転職したい人が必ず登録した方がいい転職エージェント4選
JASRACへ転職したいと考えている方には次の4つの転職エージェントがおすすめです。
- リクルートエージェント
- doda
- パソナキャリア
- JACリクルートメント
これらの転職エージェントのおすすめポイントや特徴について紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.リクルートエージェント
リクルートエージェントの大きな魅力は、何と言っても業界最大級の求人数を誇る点です。
どんな職種でもここを利用すれば求人が見つかる、思いも寄らない選択肢に巡り会えたなど、口コミでもその求人数の多さへの賞賛が目立ちます。
ただ利用者もその分多いことからどうしても、サポートなどにいささかクールな感じがした、親身になってくれるという感じはしない、などの口コミも見られます。
ここをメインに利用しつつ、他のエージェントも併用する事をおすすめしたいです。
リクルートエージェント公式サイト:https://r-agent.com/
2.doda
dodaは国内大手の転職エージェントということで、求人数も多いうえにアドバイザーの対応力もしっかりしています。
転職を初めて経験する人が不安になりがちな面接や職務経歴書についてのアドバイスもしてくれますので、まさに転職の全面サポートをしてくれるサービスと言えるでしょう。
担当者に当たり外れがないという口コミも多いので、これから転職を考えている方は早めにdodaに登録しておきましょう。
doda公式サイト:http://doda.jp/
3.パソナキャリア
初めての転職で不安も多く、手厚くサポートして欲しいという方に特におすすめなのが「パソナキャリア」です。
実際に利用した多くの方から、「寄り添って親身にフォローしてくれた」とサポート体制が高く評価されています。
手厚いフォローやサポートを重視する方は、必ず登録しておくと良いでしょう。
求人数では業界最大手の「リクルートエージェント」や「doda」より少ないという面もあるので、リクルートエージェントやdodaと併せて、パソナキャリアを利用するのが効率的でおすすめです。
パソナキャリア公式サイト:http://www.pasonacareer.jp/
4.JACリクルートメント
外資系や国内大手企業など、ハイクラス転職やグローバル転職がしたい方には「JACリクルートメント」がおすすめです。
案件の質では他の転職エージェントを圧倒しており、求人案件には他社が保有していない高スペックかつ高待遇な案件もあります。
企業ごとに担当者がいる体制なので、企業のリアルな情報を聞くことができます。
企業文化や風土はもちろん、事業内容の細部や組織戦略までも把握しており、転職先を選ぶ際に情報が役立ちます。
管理職や専門職など、ハイクラス求人を求める方に最適な転職エージェントです。
JACリクルートメント公式サイト:http://www.jac-recruitment.jp/
まとめ
JASRACの組織情報や年収、採用されやすい人物像、口コミ・評判などを紹介しました。
あわせてJASRACへ転職したい方のために転職成功率をアップさせるたった一つの方法も解説しましたがいかがだったでしょうか。
「法律知識を武器に音楽業界で働きたい」
「JASRACに転職して自分の実力を試してみたい」
という方は、この記事を参考にして転職成功へ向けて動き出してみてくださいね。