不動産業界の転職を考える人は、次のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
「未経験は不動産業界の転職は難しい」
「不動産業界はブラック企業が多い」
「不動産業界で転職成功させるためにどの転職エージェントを使ったら良い?」
今回は、こうした噂の真相について不動産業界の転職事情やおすすめの転職エージェントを徹底調査していきます。
さらに未経験でも転職を成功させるポイントも確認していきましょう。
不動産業界の情報を詳しく知って、転職活動のハードルをうまくクリアしたいですね。
不動産業界の転職事情を把握すれば、気になるウワサが明らかになってスッキリしますよ。
不動産業界への転職にエージェントを利用すべき4つの理由
不動産業界は他と比べても学歴に左右されることが少ないと言われており、実力次第でかなり稼ぐことも可能であることから安定した人気があります。
ただ転職は自力のみでと考える人がまだ多い世界でもあり、そうした環境で転職エージェントを利用すればライバルに差をつけることも可能です。
詳しく解説していきましょう。
1.無料でプロの視点によるアドバイスやキャリア提案をもらえる
転職エージェントは紹介した企業側から報酬を得る仕組みになっているため、求職者側は無料で利用できることがほとんどです。
登録すると転職のプロである担当アドバイザーによって経歴やスキル、資格などの聞き取りが行われ、本人に合った転職先や有利な部分など、転職に際して的確なアドバイスをもらえたり、今後のキャリアについても様々な相談に乗ってもらうことができるのです。
2.企業との条件交渉や面接日程等の調整を代行してくれる
転職エージェントに登録すれば、利用者がするべきことは基本的に希望する企業の選択や、応募のための資料の作成、面接となります。
その他の面倒な企業側との交渉や日程調整などについてはエージェントの担当者に代行してもらうことができます。
あらかじめこちらの希望さえ伝えておけば、採用の権限を持つ企業相手だと言い出しにくい条件交渉などもプロが全部代わりに請け負ってくれるのです。
3.非公開求人情報を紹介してくれる
転職エージェントには登録前に誰でも見ることのできる公開求人と、登録してから紹介してもらうことのできる非公開求人の二種類の求人情報があります。
非公開求人は他社にはない特別なものや、条件の良いものが多く、それらは利用者以外の目に触れることはありません。
そうしたものを優先的に紹介してもらえるため、エージェントを利用しない人よりも有利に転職活動をすることができます。
4.業界別・職種ごとに面接通過ノウハウを持っている
転職エージェントには各業界に通じた専門のアドバイザーが多く在籍しています。
アドバイザーには実際にその業界で働いていたという人も多く、また会社全体で培われてきた人脈なども駆使して、企業ごとの内側の情報や面接の傾向、通過するためのコツも把握しています。
そうしたノウハウを出し惜しみせずしっかりサポートしてもらえるので、転職も成功しやすくなっているのです。
不動産業界の転職に有利な転職エージェント・サイトおすすめ17選
未経験から不動産業界の転職を考える人は、企業のマッチングをはじめ、転職活動のすべてをサポートする「転職エージェント」の利用がおすすめ。
ここでは不動産業界の転職で利用したい、転職エージェントをいくつか紹介します。
人気の非公開求人が豊富な「doda」
総合評価 | 4.4 |
---|---|
求人件数・質 | 4.7 |
提案力 | 4.3 |
サポート体制 | 4.1 |
利用者満足度 | 4.3 |
年代 | 20~40代 |
対応エリア | 全国 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
人気企業の非公開が豊富なdoda。
dodaを不動産業界の転職で利用するメリットとは?
- 不動産業界求人が職種ごとに検索できる
- 希望に合った求人を紹介してくれる
- スカウトサービスで企業から直接オファー
- 転職イベントやセミナーの充実
大手不動産会社をはじめ、未経験者歓迎の求人がいっぱい。
dodaの情報は見逃せません。
doda公式サイト:http://doda.jp/
国内最大の転職エージェント「リクルートエージェント」
総合評価 | 4.5 |
---|---|
求人件数・質 | 4.8 |
提案力 | 4.4 |
サポート体制 | 4.2 |
利用者満足度 | 4.7 |
年代 | 20~40代 |
対応エリア | 全国 |
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
はじめて転職する方には、行き届いたサービスが自慢のリクルートエージェントがおすすめです。
リクルートエージェントを不動産業界の転職で利用するメリットと?
- 不動産業界に精通するアドバイザー多数
- 未経験者の「強み」を見つける
- 企業交渉はアドバイザーが代行
- 全国拠点で地方の人も利用しやすい
リクルートエージェントの転職サポートはマンツーマンだから安心。
時間に余裕のない方は、土日の面談や電話相談もできるので、気軽に利用できますね。
リクルートエージェント公式サイト:https://r-agent.com/
不動産業界の求人を細かく取り扱っている「マイナビエージェント」
総合評価 | 4.7 |
---|---|
求人件数・質 | 4.6 |
提案力 | 4.7 |
サポート体制 | 4.8 |
利用者満足度 | 4.7 |
年代 | 20~30代 |
対応エリア | 全国 |
公式サイト | https://mynavi-agent.jp/ |
マイナビは、全国で「転職セミナー」を開催中。転職の悩みをかかえている方もたくさん参加しています。
マイナビを不動産業界の転職で利用するメリットは?
- 大手不動産会社の好条件求人が多い
- 未経験者歓迎の求人が多い
- カウト限定求人がある
- 応募書類のサンプルがある
マイナビの転職イベント参加者にはうれしいプレゼントもありますよ。
マイナビエージェント公式サイト:https://mynavi-agent.jp/
宅建Jobエージェント
不動産業界に特化した専門の転職エージェントですが、宅地建物取引士の資格を持っていない人でも登録することができます。
業種は不動産に限りますが、職種は営業から事務、経理、設計、開発、不動産管理など多岐に渡り、その中でも営業職の求人が最も豊富にあります。
首都圏に強く地方はやや弱い傾向にありますが、大手だけでなく中小の案件も多く扱っています。
宅建Jobエージェント公式サイト:https://takken-job.com/
リクルートダイレクトスカウト
主に30代後半から50代くらいまで、年収800万円以上のハイクラス向けの転職支援サービスです。
通常の転職サイトとは異なり、ヘッドハンターによるスカウト制度を採用しているため、登録が済んだ後は基本的にスカウトを待つ形になります。
ハイキャリア向きであるため未経験者には向いていませんが、年収が上がったなどの声も多く、キャリアアップが望みやすいサービスです。
リクルートダイレクトスカウト公式サイト:https://directscout.recruit.co.jp/
パソナキャリア
人材紹介サービスを手広く扱うパソナの運営する総合型転職エージェントで、業界内で屈指の歴史を持つ手厚いサービスが期待できます。
大手に比べるとやや求人数の少なさは見られますが、その分きめ細やかなサポートには定評があり、また非公開求人数は質・量ともに高く評価されています。
長年の活動から取引企業からの信頼も厚く、特に20代から30代の若手の利用者に支持されています。
パソナキャリア公式サイト:http://www.pasonacareer.jp/
RSG
建築業界に特化した転職エージェントで、転職業界全体の中ではそこまでの規模はありませんが、建築業界に限ればトップクラスの求人数があり、建築業界に的を絞って転職を考えている人に向いています。
職種は営業から設計・コンサル・施行管理など幅広く、実際にそうした現場で働いていた実務経験を持つ担当者も多いので、実情に合ったリアルな話を聞くことができます。
RSG公式サイト:https://rsg-c.jp/
Spring転職エージェント
人材サービスにおいて世界最大規模を誇るアデコグループが提供している転職エージェントです。
日本においてまだそこまでの存在感はありませんが、世界60か国で蓄積されてきたノウハウは強力で、業界特化型ではなく各分野を領域でわけてその分野ごとにスペシャリストを配置する方式を採っています。
また企業側と求職者側の担当を分業にせず、両者の相性を見極めながら進めていくことでミスマッチの発生を防いでいます。
Spring転職エージェント公式サイト:https://www.springjapan.com/
ビズリーチ
ビズリーチは、転職エージェントの中でもヘッドハンティング型のサービスを展開している会社です。
自分が登録した経歴に合わせてヘッドハンターが求人を提案するというスタイルをとっています。
そのため、求人の特徴としてハイクラスの求人が多いという特徴があり、高収入の不動産求人を希望する方におすすめの転職エージェントです。
ビズリーチ公式サイト:https://www.bizreach.jp/
リクナビNEXT
リクナビNEXTは、業界最大手のリクルートが運営する転職エージェントですので、求人の選択肢が非常に豊富であるという特徴があります。
勤務地や採用スケジュールなどの求人内容ごとに特集が組まれたりするので、細やかな希望に合った求人を見つけやすい転職エージェントです。
不動産業界への転職を希望する場合でも、まずは登録しておくべき転職エージェントといえます。
リクナビNEXT公式サイト:https://next.rikunabi.com/
JACリクルートメント
JACリクルートメントも、ハイクラス求人を多く取り扱う転職エージェントです。
管理職や専門職向けに特化しており、利用者の層もある程度以上の年収である方が多く、アドバイザーはもちろん利用者にもスペシャリストが多い特徴があります。
不動産業界への転職の際に、プロフェッショナルによるハイレベルなサポートが期待できる転職エージェントです。
JACリクルートメント公式サイト:http://www.jac-recruitment.jp/
⇒JACリクルートメントの口コミ・評判を見る
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type転職エージェント
type転職エージェントは、一都三県のみの首都圏に絞って対応をしている転職エージェントです。
対応地域が限られているという面はありますが、その代わりに一都三県への転職に特化したノウハウを持ち合わせており、首都圏の不動産業界への転職を希望する場合には強い味方になります。
また、アドバイザーのカウセリング力への評価も高いのがtype転職エージェントの特徴です。
type転職エージェント公式サイト:https://type.career-agent.jp/
いえらぶ不動産転職
いえらぶ不動産転職は、不動産業界を専門とする特化型転職エージェントです。
その業界知名度はトップクラスであり、不動産業界特化型転職エージェントを利用する際は、まず登録必須と言えるでしょう。
また、特徴としてLINE・メール・電話での来社不要のサポートにも対応しており、利用者のワークスタイルにあわせた利用が可能であるというメリットもあります。
いえらぶ不動産転職公式サイト:https://career.ielove.co.jp/
エンエージェント
総合評価 | 4.3 |
---|---|
求人件数・質 | 4.1 |
提案力 | 3.9 |
サポート体制 | 4.5 |
利用者満足度 | 4.1 |
年代 | 20~40代 |
対応エリア | 全国(首都圏中心) |
公式サイト | https://shoukai.type.jp/ |
エンエージェントは自分ひとりでは「何から始めればいいのか」といった不安をしっかりとサポート。
エンエージェントを不動産業界の転職で利用するメリットは?
- 未経験OKの非公開求人が豊富
- 面接までの手続き代行
- 転職ノウハウをカテゴリー別に掲載
- 転職後のフォローも徹底
はじめての転職は心配なことがいっぱいあるから、キャリアパートナーの存在は心強いです。
エンエージェント公式サイト:https://enagent.com/
ランスタッド
ランスタッドは、世界最大級の人材サービス企業であり、海外転職にも強みがある転職エージェントです。
また、高収入が期待できるハイクラスの求人も多く取り扱っており、積み上げたノウハウと実績によるプロフェッショナルなサポートも大きな強みです。
もちろん不動産業界のハイクラス求人も豊富に保有しているので、不動産業界でハイキャリアを目指したい方にもおすすめです。
ランスタッド公式サイト:https://www.randstad.co.jp/
ハタラクティブ
ハタラクティブは特徴として20代の若手層に特化している転職エージェントであり、第二新卒や20代の方で不動産業界を希望する場合におすすめできる転職エージェントです。
また、カウンセリング実績と優れた内定率も特徴で、そのサポート力に信頼があります。
特に、キャリアアドバイザーがマンツーマンでサポートを行ってくれるので、手厚いサポートを希望する方におすすめできる転職エージェントです。
ハタラクティブ公式サイト:https://hataractive.jp/
就職Shop
リクルートが運営する就職Shopは、ハタラクティブと同じく若手層向けの転職エージェントです。
基本的に書類選考はなく、応募した企業ですぐに選考を受けることが可能なので、採用されるまでの早さが特徴となっています。
また、未経験者歓迎の求人を多く保有している転職エージェントでもあり、未経験で不動産業界に転職したい方にもおすすめの転職エージェントです。
就職Shop公式サイト:https://www.ss-shop.jp/
未経験でもはじめられる?不動産業界の転職事情
不動産業界は未経験者を歓迎している企業も多く、やる気があれば高収入を目指すことも。
転職活動を始める際、今後のキャリアビジョンを意識して、各業種の転職事情・転職後の学びについて把握することが大切です。
業種 | 未経験者 | 学び |
---|---|---|
取引業 | △ | △ |
賃貸業 | 〇 | 〇 |
管理業 | 〇 | ◎ |
営業 | ◎ | 〇 |
このように一口に不動産業といっても、各職種によって未経験者の「向き・不向き」があります。
その中でも、営業や管理業は比較的にはじめやすいです。
また賃貸業で経験を積み、取引業にキャリアアップするケースも多いでしょう。
ただしキャリア形成のため年齢制限する企業もあるので要注意。
転職は20代の方が有利になることを覚えておきましょう。
不動産業界のメリット・デメリットを確認して向き・不向きをチェック!
冒頭でも紹介したように、不動産業界に対してマイナスのイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし「良い面・悪い面」判断することで、自分の価値観に照らし合わせながら転職を検討することが大切です。
メリット | デメリット |
---|---|
やりがいがある 学歴に左右されない 実力次第で高収入を実現 職種が多く選択の幅が広い |
土日休みがとりづらい 労働環境が悪い企業もある 景気に左右されやすい 忙しい時期が集中する |
これらのメリット・デメリットをふまえ、不動産業界に向いている人・向いていない人を挙げてみましょう。
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
就労意欲が特に高い人 目標があると燃える人 モチベーションが持続する人 体力のある人 |
土日祝日は休みたい人 ノルマがあるとつらい人 忙しさが苦手な人 業界への興味関心がうすい人 |
中には高収入につられて転職し、自分には向いてないと感じて退職する人もいます。
仕事への価値観や優先順位を自覚することで、不動産業界に対するミスマッチを避けることができるでしょう。
まずは転職活動する前にチェックしておくべき項目!
不動産業界のメリット・デメリットを把握したところで、次は「業界研究・企業調査」を徹底していきましょう。そこで不動産業界では、下記の点を判断基準にすることが大切です。
- 会社の規模や経営状態
- 給与システム
- 営業ノルマなどはあるか
- 自分に合っている会社か
- 転職後のキャリアプランを立てる
このように基本的な確認事項から、不動産業界特有の確認事項もあります。
特に、不動産業界は歩合制を導入する場所が多いです。そのため給与面どういったシステムになっているのか事前に確認しておくことが大切です。
計画や目標がある人は、すぐに辞めたりしないので信用されやすいです。
不動産業界の志望動機はどうする?そのポイントを紹介
転職活動のカギを握るのは、志望動機ですね。
そもそも不動産業界は、実力重視の忙しい現場なので、精神的にもタフな人を求めています。
業界ニーズに答えるためにも、「すぐに辞めない人材」であることを志望動機でPRすることが重要です。
- 精神的なたくましさ
- ストレス管理
- 仕事の粘り強さ
- 率直な動機(金銭面について、など)
- 現場経(業界に結び付く経験、など)
まずは以上のような点を意識しながらアピールしてみましょう。
ポイントを絞ってストレートに表現すれば、採用担当者に「この人なら大丈夫かな」と思ってもらえますよ。
些細なことでも活かせる経験・スキルを入れる
未経験から転職する人の中には、「自分は不動産の資格もなく、実務経験もないので、アピールするものがない」と不安に感じる人もいるでしょう。
その場合、これまでの些細な経験をアピールポイントに置き換えることが大切。
例として、下記のようなものを不動産業界への強みとして繋げます。
- 客として不動産会社を利用した経験
- 接客をした経験
- コミュニケーション能力
- 目標に向かってがんばった経験
このように、小さなことでも十分な材料になります。まずは自分を棚卸して、業界に結び付けそうな材料を見直してみましょう。
不動産業界の仕組みとは
不動産業は一般的に、「賃貸物件の仲介」というイメージが強いですね。
しかし会社ごとにメインとなる職種がちがいます。
まず大まかに、不動産業界は取引業、賃貸業、管理業の3つの業態があります。
取引業 | 賃貸業 | 管理業 |
---|---|---|
営業 用地仕入れ |
営業 |
営業 不動産管理 不動産鑑定士 |
どの職種をメインにしているかは、事業形態や規模によります。
1種のみ取り扱う場合や2~3種を総合的に手がける会社もあるので、そのタイルはさらに細分化されています。
次にっ上記業界について、もう少し見ていきましょう。
取引業
取引業は売れる物件を仕入れて宣伝や営業を行い、不動産の売買を行うのが中心の業務です。
さらに取引業には、下記のような2つのタイプがあります。
- 建物売買業・土地売買業
- 不動産代理業・仲介業
このように取引業は高額な物件を取り扱うことから、業界に精通している経験豊富な人材が求められます。
賃貸業
賃貸業は所有する不動産物件を貸すことで、賃貸料を得る職種。不動産業界でも、70%以上を占める職種です。
また賃貸業は3つの種類があり、次のような対象物件によって区別されています。
1.賃家業 | 住宅(店舗併用も含む)の一軒家を貸す |
---|---|
2.貸間業 | 建物の中にある一部屋を貸す |
3.駐車場業 | 自動車などを停めておく場所を貸す |
そして賃貸のスタイルは、オーナーのタイプによってちがいます。
- 自社がオーナー(貸主)の場合
- 自社ではない別のオーナーがいる場合
このうち別オーナーの代理で賃貸の業務を行い、借主と仲介をすると「宅地建物取引業」にあなるので免許取得が必要です。
管理業
管理業は、賃貸物件の経営・管理をオーナーの代わりに行う職種です。管理業務の他に、営業や相談業務もあり、主に下記のような仕事をします。
- マンションやビルなど業務
- 営業などの業務
- 不動産に関する相談業務
新しいマンションは年々増加傾向なので、管理会社が扱う物件もますます増えているのが現状です。
不動産業界の年収事情とは?
不動産業界に転職する前に、必ずチェックしておきたいのはやはり給与面。
ここでは平均年収をはじめ、高収入を得るためのポイントや、業界の傾向について見ていきましょう。
不動産業界の平均収入はいくら?
不動産業界で働く人は、どれくらいの収入を得ているのでしょうか。
下記グラフは、東京都にある不動産業社員の年収を性別・年齢別に比較したものです。
参照:厚生労働省
グラフによると男性の年収が高く、30代以上では男女差も顕著ですね。
また不動産業界で高収入なのは、営業職。
従事しているのは圧倒的に男性が多いので、年収の男女差にも影響しています。
不動産業界で高収入を狙うにはどうする?
数ある不動産業の中でも、企画やプロパティマネジメント(不動産経営代行)は、特に高収入が望める職種。
しかし高い専門知識と豊富な現場経験が必要なので、未経験者がすぐに就ける仕事ではありません。
まずは実績を積み、スキルアップすることが大切。
はじめは賃貸業でも、経験年数を重ねることで売買も可能になります。
気になる不動産業界の動向や今後の景気は?
不動産業界は時代の流れに左右される業界。いま転職することはタイミング的にはどうなのか、しっかり見極めて求人探しをしていきましょう。
震災復興や東京オリンピックに向けて供給が増加!
日本の不動産業界は、土地の価格がうなぎ上りで、景気のいい状態が続いています。
実際に最近の動向を見ていきましょう。
- 東日本大震災による復興事業
- 東京都心部のオフィスビル開発
- 東京都内各所で大手不動産会社による都市再開発プロジェクト
- 大手不動産会社はアジアを中心に海外での開発に力を入れている
現在の不動産業界の好景気は、どこまで続くかわかりません。
2020年の東京オリンピックまで続くと予想していた人が多かったですが、実際はその後も不動産価格は上昇しています。
しかし将来的に考えると、多くの課題を抱えるのも現実。
すでに次の問題で、頭を悩ませている状況です。
- 人口減少による空き物件の増加
- 少子化による学生向け余剰物件の増加
- 中小規模の不動産会社が弱体化傾向
不動産業界は今まで以上に消費者の要求を敏感に察知し、それに見合ったサービス提供が求められています。
不動産業界のシェアについて
次に不動産業界は、どの企業がシェアランキングのTOPにいるのでしょうか。
下記の表を見てみましょう。
1位 | 三井不動産 |
---|---|
2位 | 飯田グループ |
3位 | 三菱地所 |
4位 | 住友不動産 |
参照:業界動向
続いて、ランキング上位4社の主な特徴を簡単に紹介しましょう。
1. 三井不動産
三井不動産は業界トップの不動産会社。
大規模事業だけではなく、物件探しのサービスも行っているので、一般消費者のニーズにも対応しています。
2. 飯田グループホールディングス
飯田産業、タクトホーム、一建設など6社が統合して、2013年に設立された飯田グループホールディングス。
住宅分譲に強く、国内シェアではTOPの実績をもっています。
3. 三菱地所
三菱地所の経営方針はデベロッパーマインド。
時代の変化を先取りした事業への取り組みに力を入れています。
グループ会社も数多く、専門分野ごとに事業を展開しています。
4. 住友不動産
分譲や賃貸など、小売り物件に強い住友不動産。
消費者のニーズに合わせた住まいの提案を行い、地域に根ざした事業を行っています。
アフターフォローにも定評があり、顧客専用の相談窓口があります。
不動産会社のシェアを比べてみると、業界における各企業の市場占有率がわかりますね。
転職エージェントを利用して不動産業界の転職成功率を上げる10個のコツ
転職エージェントのサポートを受けて不動産業界を目指す場合は、これから紹介する10個のコツを押さえることで、より転職成功率を上げられるようになります。
それでは、それぞれ具体的に紹介していきます。
1.初回面談までにキャリアの棚卸しを仕上げておく
不動産業界への転職に限ったことではありませんが、面談までにしっかりとキャリアの棚卸しをして自分の経歴を洗い出しておきましょう。
事前に履歴書や職務経歴書を作成して提出しておくことで、スムーズにサポートを受けることができます。
また、このキャリアの棚卸しがうまくいかない場合でも、書類添削をサポートしてくれる転職エージェントがありますので、できる範囲まででも仕上げておくと良いでしょう。
2.不動産業界で有利な資格を取得する
不動産業界への転職では、一般的に下記のような資格を取得しておくと有利になります。
- 宅地建物取引士
- 不動産鑑定士
- 管理業務主任者
- ファイナンシャルプランナー
- 不動産コンサルティング技能士
- 普通免許
- 語学力に関する資格
特に「宅地建物取引士」は不動産会社では5人に1人いることが義務付けられているため、業界では需要のなくならない資格です。
また管理業務主任者とマンション管理士はマンションを扱う際に必要となる資格なので、マンション物件の多い会社への転職に有利です。
物件取得・売却時の税制の把握、説明などに重宝する「ファイナンシャルプランナー」や不動産の活用や相続対策、およびに経済・金融や法律等を幅広く習得するのが目的の資格「不動産コンサルティング技能士」の取得ニーズも高まっています。
もちろん、上記資格の中には非常にハードルの高いものが多いです。
それだけに合格すれば、不動産の専門家としての道がひらけていくでしょう。
3.不動産業界と志望企業の研究をする
転職エージェントは、各業界に精通したスペシャリストが企業と業界の情報収取を行っています。
ですので、この段階でアドバイザーのサポートによる不動産業界と志望企業の業界研究をしっかりと行っておくことで、有利に転職活動を進めることが可能になります。
4.転職の際の譲れない条件を担当者に伝える
転職活動において大切なのは、譲れない明確なポイントについてはしっかりと意思表示をすることです。
確かにアドバイザーはプロフェッショナルですが、意思が曖昧であると担当者の言葉に流され、希望しない会社へ入社する流れになってしまう恐れもあります。
アドバイザーとの意思疎通を明確にするためにも、譲れない条件は具体的に伝えておきましょう。
5.「今すぐ転職したい」「2ヶ月以内に転職したい」という意思を伝える
期限を明確にしないことによって、希望する条件が合致するまで漫然と転職活動を続けてしまう事にもつながります。
これも上で述べた部分と共通する事柄ですが、いつまでに転職したいという希望する期限がある場合などは、しっかりとその意思を担当者に伝えておきましょう。
6.少なくとも2週間に1回の頻度で担当者と連絡を取る
エージェントのアドバイザーが担当するのは一人だけではなく、常に複数の求職者を担当しています。
そのため、あまり連絡がない利用者は好条件の求人があっても提案される優先順位が低くなってしまう傾向にあります。
担当者に積極的に働いてもらうためにも、少なくとも2週間に1回は連絡を取るようにしましょう。
7.同じ求人案件に複数のエージェントから応募するのはNG
転職エージェントは求職者と企業をつなぐことで企業側から報酬を得る仕組みになっています。
そのため同じ人間から同時に応募が来て採用した場合、企業はどのエージェントに報酬を払うべきかという点で、トラブルの原因になることもあります。
一つの案件に対して応募は一つだけにしましょう。
8.経歴のネガティブ要素はポジティブに変換する
経歴が全てポジティブというわけにいかないのは誰にでもあることですが、そうした点はなるべくポジティブに変換できるように理由を考えておきましょう。
たとえば退職理由が「仕事が嫌だったから」では悪い印象しかありませんが、「より自分に合った仕事をしたくなったため」ならば前向きな理由となります。
現状や過去ではなく、未来について語るのがコツです。
9.担当者と相性が良くない場合は変更してもらう
多くのエージェントでは優秀な担当者を揃えていますが、人間同士のことなので誰もが相性よく物事を進められるわけではありません。
そんな場合には無理に我慢はせず、正直に言って担当を変えてもらいましょう。
その担当者にとっても相手に嫌がられながら続けられるより、お互いのためになるでしょう。
10.転職エージェントには複数社へ登録しておく
求人数の多いところならば一つだけで良いとも思われるかもしれませんが、実はエージェントによってそれぞれ独占求人という、他では扱っていない求人も多くあります。
いくら多いと言っても一社で全ての求人を網羅できるわけではないので、常に選択肢を広げていられるよう、複数のエージェントに登録しておくことをおすすめします。
転職エージェントの利用から内定までの流れ
利用について初めてで、まだ具体的な流れについてはよく分からないという人もいると思います。
そうした人のために、利用から内定までの流れを解説します。
1.公式サイトから利用登録をする
まずは公式サイトへアクセスし、「新規登録」などのボタンから入力ページへと進みます。
表示されるフォームに名前や住所といった基本的な情報から、学歴や職歴などの詳細な情報、そして希望する条件等を入力して登録ボタンを押せば完了です。
2.初回キャリアカウンセリング(初回面談)の案内に関する連絡が来る
登録を済ませるとエージェント側から連絡が来るので、そこで初回面談の日取りを決定します。
あらかじめ3つほど都合のいい日を候補に挙げておくと良いでしょう。
またあらためて連絡は来ず、入力フォームに希望する日を入力する場合もあります。
3.担当者によるキャリアカウンセリングの実施
面談ではミスマッチなどを防ぐため、希望する条件や職歴、スキルなどについてさらに詳細な聞き取りが行われます。
そこで他に向いている業種や職種なども提案してもらえたり、キャリアについての相談に乗ってもらうこともできます。
近年では直接ではなく、リモートや電話で済ませられることもあります。
4.求人の紹介・提案を受ける
面談が終わったら、その条件に合った求人を担当者が選別して提案してきます。
条件通りのものが紹介されますが、その中で必要ないと思うジャンルなども言っておくと、その後のスケジュールもスムーズに運べるようになります。
5.履歴書・職務経歴書の添削・対策・準備
次に、企業側に提出する履歴書や職務経歴書などの書類の作成に入ります。
その際に担当者が添削なども行ってくれ、また各々の企業に向けた対策や、アピールポイントなどのアドバイスも貰うことができます。
あまり書類作成に慣れていない場合でも、一から教えてもらうこともできます。
6.希望する求人へ応募する
担当者に提案された求人の中から、自身の希望する条件に沿うものがあればそこで応募をします。
応募には郵送などの方法もありますが、近年ではネットから直接応募することがほとんどになっています。
7.面接対策のアドバイスや相談を受ける
応募が終わったら、担当者から面接のためのアドバイスを受けたり、気になることを相談することもできます。
エージェントによっては模擬面接が実施されていることもあり、NGとされる行動や、その企業に好まれやすい受け答えの内容なども知ることができます。
8.企業との採用面接の実施
企業との面接日についても担当者に調整してもらえることがほとんどです。
当日にはできるだけリラックスして臨めるよう、移動など余裕を持った行動を心がけましょう。
また履歴書などの必要な書類はすでに送られていますが、当日また提出を求められる場合もあるので、準備しておいたほうが無難です。
9.内定の決定
面接が一回で終わる場合や、複数回の面接があるなど企業によって採用までの流れは異なりますが、それが無事済み、合格すればいよいよ内定です。
内定が出るかどうかでその後のエージェントの行動も変わるので、担当者とはまめに連絡を取りあっておくようにしましょう。
10.現職の退職サポートおよび入社サポート
内定が出たら、最後は入社までの調整です。そこではあらためて条件の詳細な詰めや、入社日などの調整が行われます。
そうしたことも基本的に担当者に代行してもらうことができます。
また現職の退職についてもトラブルにならないようサポートしてもらうことができるので、担当者に相談しましょう。
不動産業界の転職でよくある質問・気になる疑問点
未経験から不動産業界に挑戦する際には、次のような項目で疑問を抱く人が多いです。
- 不動産業界はブラック企業が多いの?
- 高卒でも応募はできる?
- 転職に強いおすすめの資格は何なの?
- 売買と賃貸のどちらに転職したほうがよいの?
- 不動産業界未経験でも転職できるの?
- 紹介された求人は断ってもいいの?
- 転職を迷っている段階でエージェントに利用登録してもよいの?
ここでは、これらの疑問を解消して、スムーズな転職活動に繋げていきましょう。
Q1. 不動産業界はブラック企業が多いって本当?
不動産業界には、良くない噂が飛び交うことも…。
その理由は、次のようなことが考えられます。
- 一部の悪い評価が噂の根源
- 一部企業のイメージが全体に反映
一部で起こった事実が、全体のイメージとして浸透していることが多いです。
その真相としては、優良企業も多数あるため、不動産業界全体がブラックという認識は誤った考えだと言えます。
Q2. 高卒でも応募はできるの?
先ほども説明のように不動産業界は「実力主義」のため、学歴は左右されません。
そのため高卒でも、受け入れる企業は多いです。
Q3. 転職に強いおすすめの資格は何なの?
不動産業界で持っていると良いと言われる資格は「宅地建物取引士」「管理業務主任者」「マンション管理士」などです。
いずれも需要のなくならない資格です。
その他にも「不動産業界で有利な資格を取得する」で詳しく紹介しているのであわせて参考にしてみてください。
また管理業務主任者とマンション管理士はマンションを扱う際に必要となる資格なので、マンション物件の多い会社への転職に有利です。
Q4. 売買と賃貸のどちらに転職したほうがよいの?
どちらもメリット・デメリットがあります。
売買は幅広い知識が得られ、独立もしやすい傾向にありますが、そのぶん知識は広く浅くになりがちで、営業もハードになります。
一方の賃貸は営業はそこまでのものは求められませんが、それだけに報酬は少ない傾向にあります。
基本的にはどちらでも、自分に合うと思うほうを選ぶのがいいでしょう。
Q5. 不動産業界未経験でも転職できるの?
不動産業界は学歴や経験よりも実際の営業成績などが重視される傾向にあり、他業種に比べても未経験者が転職しやすい業界です。
ただしそれだけに結果は求められるという点と、またデベロッパーなど開発や販売では未経験だと厳しく、未経験者は賃貸や不動産管理ならば採用されやすいという傾向があります。
Q6. 紹介された求人は断ってもいいの?
希望に合わなかったり、気が進まなければもちろん断っても構いません。
ただしかなり進んでいる段階で断ってしまうなど、相手企業や担当者に迷惑がかかってしまうのはよくないので、なるべく早い段階で断るようにしましょう。
また断ることがあまりにも多かったり、気まずいからと返事をせずに放置などをしていると信頼度も落ち、担当者もしっかりとしたサポートはしてくれなくなる可能性があるので気をつけてください。
Q7. 転職を迷っている段階でエージェントに利用登録してもよいの?
いたずらなどでないならば、転職に迷っている段階で登録してももちろん構いません。
むしろ迷っている人がキャリアについて相談したいという理由で登録することも実際にあります。
初回の面談で迷っていることも含めてしっかりと伝えれば、どういった転職が向いているかなどの相談に乗ってもらうこともできます。
まとめ
今回は、未経験で不動産業界に転職する方法について、詳しく説明しました。
最後にもう一度、内容をおさらいしていきましょう。
- 不動産業界は実績重視なので未経験OK
- 未経験でも高収入を期待できる
- ブラック企業の噂はごく一部の企業だけ
このように未経験者でも、挑戦しやすい不動産業界。
熱意とポテンシャルがあれば未経験でも高収入を目指す業界なので、興味ある方は是非挑戦してみましょう。
不動産業界の転職事情がわかったから、安心して求人探しができるはずですよ。