ウォーターサーバーに限らず、販売されている水にはいくつか種類があります。
ウォーターサーバーで利用されている水は大きく分けてRO水と天然水の2つに分けられ、ミネラル成分が含まれているものは天然水です。
せっかくなら健康のためにミネラル豊富なウォーターサーバーを利用したいと考えている方もいるかと思いますが、まずは水に含まれるミネラル成分の効果などについて知っておきましょう。
目次
ウォーターサーバーのミネラル成分について
水のミネラル成分で健康になることはない?
水に含まれるミネラル成分は体内へ吸収されにくく、直接的な健康効果はあまり期待できないと言われています。
その一方でミネラル成分の含有量が高い水は健康に良いとも言われており、現時点ではミネラル成分豊富な水を毎日飲んだとしても確実な健康効果があるとはっきりと解明されていない状況です。
また、日本で採水された水には元々海外のような豊富なミネラルは含まれておらず、ウォーターサーバーの多くもミネラル成分含有量の低い軟水で販売されています。
ミネラル成分でウォーターサーバーを選ぶのは意味がない?
では、ミネラル成分はウォーターサーバー選びに全く関係がないかというとそうでもありません。
ミネラル成分の多い水は味やニオイに癖があり「硬い」と評され、軟水に親しんでいる日本人には少し飲みにくい印象があります。
一時期流行した水ダイエットで人気が高まったコントレックスは硬度の高い非常に硬い水で、軟水になじんでいる日本人はお腹を壊しやすくなるケースも珍しくありません。
水のまろやかさや体へのやさしさ、料理の味付けの邪魔をしないことを基準にウォーターサーバーを選ぶなら、むしろミネラル分が低い方がおすすめです。
水に含まれる主なミネラル成分について
主にカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、、サルフェート、リン、シリカ、などが含まれます。
カルシウム、マグネシウム、カリウムなどは骨を始めとする体の組織の形成に役立ちます。
一方、ナトリウムは塩分などによる過剰摂取が問題視されています。
しかし、いずれにせよ、人体に必要な、もしくは過剰をなる摂取量から考えると水を飲むことによる摂取量は微々たるものを考えて良いでしょう。
むしろ味や風味の面で日本人の好みから遠ざかるデメリットが大きく、フランスやイタリアなどの硬度の高いミネラルウォーターの中には、その傾向が顕著なものもあります。
日本で生産される天然水のミネラル含有量は一般の水道水と比較すると確かに多いですが、「甘味」や「おいしさ」として認識される程度に留められているものがほとんどです。
RO水が体に優しい理由
一般に天然水は、地下水をろ過して造られます。地下水とは、豊富な雪解け水や雨が長い年月を経て地中を通って、ろ過されたものです。
水はろ過される過程で地中の水溶性のミネラルを自身の中に取り込みます。その後の工場でのろ過は、多くの場合このミネラルを残す方法で行われます。
水の個性をして活かしたいからです。よってヨーロッパの硬水ほどではないにしてもミネラルを含んだ天然水が出来上がるのです。
そして、腎臓の弱い人や未発達な赤ん坊にとっては、このミネラルによって下痢や便秘を起こす危険性があります。
一方で、RO水は放射性物質を始めとする極微細な不純物質までろ過の段階で除去します。結果的に水の個性ともいえるミネラル分まで無くなってしまうので、後から飲みやすく感じる程度の量に留めたミネラル添加を行い出荷します。
このため、硬度も低くなり、体への吸収も早く、赤ん坊のミルクにも安心して使える水となります。
日本料理にRO水が合う理由
硬度の低いRO水は人体への吸収だけではなく鰹節、コンブ、煮干し、などダシ素材への細胞組織への浸透が早いです。
浸透した水は素材の旨味を損なうことなく溶かしだし、抽出します。これが透明感のある旨味と風味豊かなダシとなります。
ダシ素材が上質であればあるほど、それを活かすためには軟水の方が適していると言えます。
素材を水に長時間浸しておくだけでも美味しいダシがとることが出来るからです。米を炊く際も速やかに浸透し、本来のおいしさを引き出す役目を果たします。
また、野菜などを茹でる際も、風味や栄養分の損失を防ぐためには硬度の低いRO水を使った方が良いです。
天然水の上手な料理への利用法
天然水が活躍する料理もあります。例えば牛や鶏の骨からスープをとるのには比較的硬度の高い天然水の方が適しています。
何故なら伝統的な日本のダシ素材と異なり、これらにはうま味成分の他に、食味や風味を損なう雑味成分、いわゆる「アク」が多く存在するからです。
天然水中のミネラルはこれらのアクを細胞組織内から排除し、浮き上がらせる効果があります。RO水を使用した場合、このアクまでスープ内に溶かし込んでしまい雑味の多い仕上がりになってしまいます。
この効果は、アクの強い野菜や魚の下処理の際にもうまく活用することで、クセや生臭みを抑えて美味しく仕上げることが出来ます。