福島第一原発事故の影響で水道水からも放射能が検出されて問題になったのは記憶に新しいですよね。
現在もまだ事故後の処理は終わっておらず、続く余震による新たな事故も不安の種となっています。
小さなお子さんや赤ちゃんは放射能への影響が出やすいため水道水を飲ませるのに不安を感じているお母さんも多いですし、大人だって放射能の影響はとても怖いです。
今、ウォーターサーバーは放射能から身を守るための手段として多くの方から選択されています。
目次
ウォーターサーバーは放射能が含まれない?
RO水は放射能が除去されている
ウォーターサーバーの水の種類の一つであるRO水は、RO膜という特殊なフィルターによってろ過され、不純物や雑菌をほぼ完全に取り除かれています。
メーカーごとにろ過性能に差はありますが、RO膜はとても細かく、放射能も除去できることが確認されています。放射能による不安を徹底的に取り除きたいという方はRO水のウォーターサーバーがおすすめです。
天然水は放射能の影響が出ていない
ウォーターサーバーの水の種類でもう一つは天然水です。地下水を汲み上げた後フィルターによって雑菌をろ過し、天然のミネラルはそのままに仕上げています。
福島第一原発からほど近い南アルプスや富士山麓の天然水は放射能の影響を受けていると思われがちですが、地下水は地中深くへ浸透する間に土や砂利などの天然のフィルターを通り、何十年、何百年の長い年月をかけています。
そのため、2011年の原発事故の影響は全く出ておらず、放射能の心配がなく飲める水とされています。
放射能の危険性、外部被ばくと内部被ばく
放射能の健康への影響は大きく2種類に分けられます。一つ目は大気中に存在する放射性物質による外部被ばくです。
外部被ばくは体表面に放射性物質を浴びることで生じるものです。勿論放射能の影響を全て回避出来るわけではありませんが、衣服及び体の洗浄により健康へのリスクは相当量減少します。
一方、内部被ばくは呼吸や飲食物の摂取によって体内に放射性物質が蓄積し、それにより恒常的に被ばくが継続します。
体内に蓄積する有害物質の除去が困難であるという点で、外部被ばくより内部被ばくの方が健康面ではより深刻な被害であると言えます。
私たちにとって日々の食事は生きていくために不可欠なものです。とりわけ、飲用においても調理のあらゆる場面においても使われる水は大切です。美味しさだけでは無く健康面での安全が保障された水を確保したいと願うのは必然的なことでしょう。
安全なお水のウォーターサーバーを選ぶ際の基準
上記の解説でわかるようにウォーターサーバーを選ぶ際には水の種類も重要な基準になります。
味の好みもさることながら、水の単価、安全性、健康や美容への効果など様々な要素で分類出来ますが、大きく分けると天然水とRO水という、2種類への分類が出来ます。
この分類は採水地の基準やろ過方法などから明確に定義されています。ではここで気になる天然水とRO水にはどんな違いがあるのでしょうか?
天然水の採水地
ウォーターサーバーに使用される天然水は、天然由来の個性を損なわないようなろ過、殺菌処理を行って出荷されます。
採水地の選択基準が厳しく、含まれるミネラルの成分も産地、メーカーにより異なります。
東北大震災以降、水道水中に含まれる放射性物質の心配などから主な採水地として富士山以西や北海道などが選ばれています。
コスモウォーターの採水地
コスモウォーターは3種類の天然水から選択出来ます。富士山がもたらすバナジウム天然水「富士の響き」、硬度の低い京都の「古都の天然水」、大分県日田市で採水した有機ゲルマニウムを含む「日田の誉」があります。
プレミアムウォーターの採水地
プレミアムウォーターの採水地は山梨県富士吉田、熊本の南阿蘇、島根の金城の3つです。コスモウォーターと同様、3つの採水地から選ぶことが出来ます。
富士吉田で採水されたものはミネラルバランスが優れていて、バナジウムや亜鉛を豊富に含みます。南阿蘇で採水したものは皮膚や毛髪を構成するシリカを多く含有しています。金城で採水したものは美容効果の高いサルフェートを多く含みます。
フレシャスの採水地
プレミアムウォーターと同じく、フレシャスの「フレシャス富士」も富士吉田を採水地としています。
「フレシャス木曽」は長野県木曽町の森林率96%の環境で自然に湧出する天然水を採水しています。
また、よりバナジウムの含有量の多い「フレシャス朝霞高原」は富士山から車で1時間ほどの朝霞高原で採水されています。
天然水の定義は?
ウォーターサーバーで使用される天然水は主に、ろ過や殺菌を天然由来の成分を壊さない処理に留めたナチュラルミネラルウォーターを指します。
特定の水源から採取されたナチュラルウォーターの中で、ミネラルを含んだものがナチュラルミネラルウォーターに分類されます。
ナチュラルミネラルウォーターはろ過、沈殿、加熱殺菌以外をしないことが条件ですが、さらに厳しい採水地の基準をクリアして非加熱処理を可能にしているメーカーもあります。
天然水の水質検査
天然水は自然本来の成分の損失を最小限にとどめて出荷されます。そのため、採水地の水質を定期的かつ綿密に検査をする必要があります。
一般的な混濁や沈殿物の有無を調べる水質検査に加え、有害物質、特に震災以降は放射性物質の有無など、非常に厳しい検査を定期的に行っています。
このように天然水を扱うメーカーにとっては安全性の高い品質を保つことが事実上義務づけられています。
RO水の製造方法
RO水のROとはReverse Osmosisの略です。日本語に訳すと「逆浸透」の意味です。この原理を用いて処理したものがRO水と呼ばれています。
逆浸透とはどんなもの?
逆浸透は逆浸透膜を用いて起こすことが出来る現象です。逆浸透膜は水以外を通さない膜です。
水に溶けている不純物(溶質)の濃度が違う二種類の溶液をこの逆浸透膜で隔てた時、濃度を一定にしようとするために濃度の薄い溶液側から濃度の濃い溶液側に水が移動するための圧力が生じ、「浸透」が起こります。
薄い溶液側から濃い溶液側に水が移動する際に生じる圧力を「浸透圧」と言います。この浸透圧と逆方向からこれより大きな圧力をかけることで濃い溶液側から薄い溶液側に水が移動して更に薄い溶液となります。
これを応用して、不純物を含む水と真水との浸透圧の差を利用してろ過を行います。
逆浸透膜は除去できる不純物質とは?
逆浸透膜により99.9%の不純物を除去することが出来ます。塩分、トリハロメタンやダイオキシン、細菌類や病原体、そして放射性物質も取り除けるので安全性の高い飲み水となります。
ただし、逆浸透膜は高いろ過性能から、劣化のリスクもあります。そのため、それ以外のろ過フィルターや活性炭フィルターを併用した後の最終段階で使用される場合がほとんどです。
逆浸透膜を通過した水が美味しくない?
有害物質をほぼ完全に除去出来るRO水は実はそれ自体は美味しい水と言えるものではありません。
美味しさのもとであるミネラル分まで取り除いてしまうからです。そのため、飲み水として美味しく感じられる分量のミネラル添加を最後に行います。
それでもすぐれたミネラルバランスの天然水には味の点では及びませんが、料理用やお茶、コーヒー用、赤ん坊のミルク用などとして用いるには安全性も高い上に、カルキ臭のする水道水と比べると美味しさの点でも充分です。
天然水とRO水を比較して
様々な角度から両者を比較してみることにします。
RO水は省コストを実現
水の値段に関しては採水地を選ばないRO水の方が一般的に安いです。水道水レベルのものを原水として作ることが出来るため、天然水を採水するのに必要な井戸の採掘、各種の認可、定期的な検査、などに掛かるコストが大幅に抑えることが出来るのが理由として挙げられます。
また、天然水はワンウェイ式のペットボトルで出荷されるのに対し、RO水はリターナブル式のボトルを採用しているものが多いです。これによりペットボトルを量産する必要性がなくなり更にコストダウンが可能になります。
天然水の醍醐味は水本来の美味しさ
天然水にはカルシウムやマグネシウムをはじめとしたミネラルが含まれています。
これらは過剰に含まれていると喉に引っかかるえぐみや金属的なクセのある味の原因になりますが、日本の天然水は甘味や旨味として感じることが出来る程よいミネラルバランスのものがほとんどです。
RO水は人工的にミネラルを添加しているので、天然水の自然が作り出す本来の美味しさとは少し異なります。水本来の味にこだわりをもつのであれば天然水を選ぶ方が良いでしょう。
天然水、RO水どちらも料理やお茶・コーヒーに向いている
天然水もミネラルを含むとは言え、軟水なのでRO水同様に料理やお茶・コーヒーにも適しています。ただし、天然水の方がコストが高いことを忘れないでください。
そのまま飲むのより料理用やお茶用に使う頻度が高いのであればRO水の方が長期的に考えると割安になります。
安全性に関しては天然水、RO水共に問題の無いレベル
放射性物質も除去することが可能なRO水の方が理論上は安全性が高いと言えます。しかし、天然水は、採水地を決定するのにも非常に厳しい基準が設けられている上に、定期的な検査により水質を維持していることを証明しなければなりません。
その中には放射性物質の有無の項目も当然含まれています。よって、実際にはRO水と比べて天然水の安全性が著しく劣るわけではありません。
美味しさにこだわるか、安さと安全性を選ぶか
天然水とRO水をそれぞれ調べた結果、「天然水は美味しくて、RO水は安いし安全性が高い」と結論が出ました。
天然水はそのまま飲むのはもちろんですが、水割りなどでもお酒の美味しさを膨らませてくれるため、お酒好きな方にはおすすめです。
一方、赤ちゃんのミルクや調理など、安全な水を多目的に使いたい方には低価格なRO水がおすすめです。
水自体の安全性に関しては天然水、RO水に関わらず各メーカーは遜色の無い高い基準で達成していると考えて問題無いですが、不純物質をほとんど完全に除去出来るRO水はより安全であると言えます。
海外の水なら安全?
震災以降、国内産の農産物、海産物の安全性について様々な議論が行われています。それらと同様、我々の口に入る水も例外ではありません。
主に「水源地が放射能の影響を受けていないか、どうか?」の議論がなされる中、海外を水源地とする水の需要が高まりました。
ウォーターサーバーに対応するものとしてはハワイを水源地とするものがあります。地理上、緯度的にも放射能の影響が出ない地域とされています。
さらにRO水として有害物質の除去を行っているので安全性に関しては確実と言えるでしょう。1リットル当たりの単価は高く、配達区域も大都市圏のみ、にも関わらず支持されています。
「口にするものの安全性は何物にも代えがたい」という意識の表れと解釈できます。
更に、硬度の高いミネラルウォーターの産地であるフランスやイタリアの飲料水の安全基準は元々は日本より厳しく、安全性の高い水を輸出してきました。
現在ウォーターサーバーに使われる水は、日本人の好みに合い日本食の調理に向いている軟水が主体です。
しかし、ウォーターサーバーの利用者が増えるにつれ嗜好も細分化し、ウォーターサーバーに対応するフランスやイタリアのミネラルウォーターが日本に出回る可能性は十分にあります。
結局、RO水と天然水、実際はどっちがいいの?
RO水と天然水はボトル詰めされるまでの行程が違うということはお話しました。では実際はどんな基準でRO水か天然水かを選べばいいのか検証してみました。
味の違い
水の味そのものに関しては天然水の方に軍配が上がります。水源地の安全性を検証した上で、天然のミネラル分を損なわずにろ過を行います。
このため美味しさに関与するミネラルを豊富に含むので天然水は甘味を感じる美味しい水であるとされます。
一方でRO水は逆浸透膜による不純物の除去を行う過程で、美味しさのもとになるミネラルも失われます。このためRO水は無味に近いものとなります。
しかし、無味ゆえにコーヒーやお茶、そして和食に必要な繊細なダシの味なのを引き立てる名脇役になりうるとも言えるでしょう。
安全性の違い
前述の通り、出荷時の安全基準に達すると言う意味では天然水、RO水は遜色はありません。ただし、有害物質を確実に除去するという意味ではRO水の方が優れていて、雑菌の他、ダイオキシンやO-157なども全て除去されます。
逆に言えば、天然水を採水出来るのはこの様な有害物質が存在しない場所のみということになります。安全性の高い水を確保する間口を広めたという意味でRO水に使われる技術は革新的です。
コスト面の違い
限られた場所で採水するということは、天然水という資源そのものが希少であるということでもあります。
さらにボトルの衛生面を徹底する必要性からリターナブル式よりコストの高いワンウェイ式を採用しています。
RO水は、いわゆる水道水に使えるレベルの安全基準の水源地からでもボトル詰めの水を生産することが出来るので、天然水と比較すると低価格なものが多いです。