ウォーターサーバーがあると安全でおいしいお水やお湯がいつでも使えてとても便利です。
しかし、その一方で、長い間お手入れをしないでいるとサーバー内部や周辺の衛生状態が悪くなり、雑菌や虫の発生原因になることもあります。
メーカーによるメンテナンスを定期的に受けられる場合もありますが、日常のセルフメンテナンスをすることでより安心で快適なウォーターサーバーライフを送ることが出来ます。
目次
ウォーターサーバーの衛生面を保つ仕組みは?
ウォーターサーバーに使われる水は水道水の様に塩素を使った消毒はされていません。
したがって外気に触れると雑菌が発生して劣化しやすい繊細なものです。
しかし、一つのボトルを開封して使い切るまでにはかなりの日数が経過しますよね。
その間、開封されたボトルは冷蔵庫に入れられている訳でも無く、室温に近い状態です。
このような環境で水の衛生状態を保つために、ウォーターサーバーの各メーカーは次のような機能を搭載しています。
冷却・加熱により雑菌が繁殖しない温度帯を保っている
ウォーターサーバーの基本構造といってもいいほどで、全てのメーカー、全ての機種に共通しています。
雑菌が最も繁殖しやすい温度帯は30~55℃程度と言われているのに対し、冷水は5~10℃程度、温水は80~90℃程度のものがほとんどです。
この温度では雑菌の繁殖がほとんど起こりません。
このためタンク内で雑菌が繁殖するリスクはほとんどないと言っていいでしょう。
しかし、サーバーに接続しているボトル内の水は常温なので、ボトルで発生した雑菌による水質の劣化は起こり得ます。
また、タンク内の温度を維持して衛生状態を保つため、原則的にウォーターサーバーの電源は常時入れておく必要があります。
注水時に混入するボトル内の空気を清浄する
接続されたボトル内の水はタンク内のものと異なり、常温である上、ガロンボトルの場合は注水時に外気が混入します。
この時混入される空気に含まれる雑菌が水中で繁殖してしまう恐れがあります。
取り込まれる空気の雑菌やホコリなどの汚れを取り除くことでボトル内の水を衛生的な状態に保つことが出来ます。
クリクラ、アクアクララ、ハワイアンウォーター、マーキュロップ、など、ガロンボトルを採用しているメーカーの他、コスモウォーターでもこの方法を取り入れています。
空気の混入自体が少ないワンウェイボトル
ガロンボトルと異なり、回収不要のワンウェイボトルは柔らかい素材で出来ていて、内容量の減少に伴い収縮していきます。
そのため、廃棄の際にかさばらないだけでなく、ガロンボトルでは必然的に起こっていた外気の混入を最小限に抑えることができます。
ワンウェイボトルは基本的にこの方式ですが、特にフレシャスでは一般的なワンウェイボトルに加え、ウォーターパックという更に柔らかく空気の混入が少ない専用の袋にも対応しています。
一般的なワンウェイボトルは内容量が少なくなると微量な空気を取り込んでしまうのですがこのウォーターパックの場合は使いきるまで空気を取り込んでしまうことはほとんどありません。
微量の空気を無菌化出来る無菌エアー導入システム
水が少なくなるのに応じて収縮するワンウェイボトルは、空気の混入率はガロンボトルと比較すると圧倒的に少ないのですがゼロではありません。
ある程度水が減ってからは収縮しづらくなり微量ながら空気を取り込んでしまいます。
この時の空気を無菌化するのが無菌エアー導入システムです。
コスモウォーター、恵ウォーター、島根のおいしい天然水など、ワンウェイボトルと併用することで衛生面を徹底しています。
ワンウェイボトルを採用している機種の場合はメーカー側によるメンテナンスを行わないので「メンテナンス不要」を謳っている場合がほとんどです。
そういった場合、無菌エアーシステムが搭載されているかどうかが衛生面を信用出来るかどうかの一つの基準になります。
内部清浄機能
主に高温水をサーバー内部に循環させることで衛生状態を保つシステムです。
サントリーの天然水、フレシャス、コスモウォーターなどのサーバーに搭載されています。
UV除菌ユニット、UV除菌ランプ
紫外線を照射することで雑菌や原虫の繁殖や活動を抑える効果の高い除菌システムです。
宅水便のキララ、アクアクララのアクアファブなどの機種に搭載されています。
メーカーが行ってくれるメンテナンス
ボトルの回収を行ってくれるメーカーは定期的なメンテナンスを行ってくれます。
アクアクララの場合
2~3年毎に定期メンテナンスのため使用機を自宅まで来て回収してメンテナンス済みのサーバーと交換してくれます。
交換された使用機は工場で分解、パーツ交換、パーツ洗浄が行われたのち再度組み立てられ除菌され、使用可能になります。
クリクラの場合
1年毎に定期メンテナンスのため交換を行ってくれます。
交換されたサーバーは工場内で注水口の交換、ボトル差込口の洗浄と周辺の消毒、タンク内部、外部の点検、消毒、清掃などが行われ、使用可能になります。
アルピナウォーターの場合
2年毎の交換メンテナンスを行っています。
アルピナウォーターは水素水用のサーバーも扱っていますが、この場合は6000円がメンテナンス料として別途かかります。
家庭で出来るお手入れについて
内部の洗浄や消耗部品の交換などは専門の業者以外は出来ません。
しかし家庭で行う日常的なお手入れは、見た目の美しさだけでなく衛生面や節電面でも高い効果を発揮します。
ボトル接続部の掃除
ボトル接続部は水が溜まりやすい雑菌が発生しやすい箇所です。
ボトルを交換する際に、乾いた布巾やキッチンペーパーで拭いて水気を吸い取り、アルコール系の消毒スプレーを吹き付けましょう。
特に、虫の嫌いな柑橘系の香りのするものを使うと一層効果的です。
温水、冷水の注水口、注水コックの掃除
特に調理用にもウォーターサーバーを使う場合、注水口が鍋の中の調味液に浸かってしまったり、食品を触った手で注水コックに触れてしまったりしてしまいがちです。
毎日一回は清潔な布巾などで拭いた上でアルコール消毒をするのが望ましいです。ちなみに注水口の内側は綿棒を使うと便利です。
受け皿の洗浄
基本的に取り外し可能なので取り外して台所用の中性洗剤で洗って乾燥させるか水気をよく拭き取って戻してください。
サーバー背面部の掃除
ウォーターサーバーの背面部には温水用のモーターや冷却用のコンプレッサーの作動による気流が発生しています。
そのためホコリやごみがたまりやすいのです。
ホコリやごみが溜まったまま放置しておくとサーバーの加熱・冷却能力が低下するため、部屋の掃除を行うついでに掃除機で背面部のゴミを吸い取ってあげるように習慣づけましょう。
そのあとに良く絞った付近で拭けば更に良いです。火傷を防止するため、コンセントを外して、背面部が高温になっていないことを確認してから行いましょう。
本体の掃除
清潔な布巾や乾いたタオルで拭いてください。汚れがひどい場合は洗剤を含ませた柔らかいスポンジで優しく汚れをこすり取り、洗剤成分が残らないようにしっかり拭き取ってください。
ウォーターサーバーには清潔な環境が大切
ウォーターサーバーの各メーカーが外気の雑菌や汚れをシャットアウトして水の衛生状態を保つことに力を入れています。
それだけウォーターサーバーに使われる水は繊細なものであると言えます。
無菌状態でボトルが接続されたサーバー内で水が衛生的に循環することは保証されていても、注水口やボトル接続部が不衛生であった場合は雑菌が繁殖するリスクは十分ありえます。
日常的にウォーターサーバーおよびその周辺を清潔な状態に保つことで、より安全でおいしい水のある暮らしを楽しむことが出来ます。