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直火式エスプレッソメーカーって、どう使えばいいの?

おいしいコーヒーを自宅でも楽しみたいと、直火式エスプレッソメーカーを手に入れたものの、「なかなか上手く淹れられない」と困っていませんか?

そんな方のために今回は直火式エスプレッソメーカーの基礎知識とコーヒーをおいしく淹れる方法などを解説していきます。

この記事を読めば、こだわりの1杯を淹れられるようになるので、ぜひ読み進めてください。

知って得する「直火式エスプレッソメーカー」の基礎知識

淹れるのにあまり慣れていないという方のために、まずは直火式エスプレッソメーカーの基本から見ていきましょう。

直火式エスプレッソメーカーって何?

沸騰させたお湯の蒸気圧を利用してコーヒー液を抽出する器具で、本場イタリアでは一家に一台あるとされています。

電動エスプレッソマシーンよりもリーズナブルでどこでも楽しめるため、気軽にコーヒーを楽しむことができます。

直火式エスプレッソメーカーで淹れたコーヒーの特徴

高い蒸気圧で一気に抽出するため、コーヒーの雑味を出さずに深みのあるコクとコーヒー本来の旨味を楽しめます。

厳密にはエスプレッソではない

厳密には直火式エスプレッソメーカーで淹れるコーヒーは、エスプレッソではありません。

エスプレッソ発祥の地イタリアでは、以下のように定義されています。

ここがポイント

  • 電気式エスプレッソマシーンで淹れるコーヒー:エスプレッソ
  • 直火式エスプレッソメーカーで淹れるコーヒー:モカ・コーヒー

電気式と直火式は、かけられる圧力の強さから異なった味わいのコーヒーが仕上がるのです。

高い圧力がかけられる電気式で淹れたエスプレッソは、より濃厚な味になりクレマと呼ばれる泡ができます。

その一方、圧力が低い直火式で淹れたモカ・コーヒーはエスプレッソほど濃厚ではなく、クレマもできません。

そのため、本国のイタリアでは電気式で淹れたコーヒーのみがエスプレッソだと認識されています。

モカ・コーヒーとはカフェ・モカは別物です。直火式エスプレッソメーカーで淹れたコーヒーがモカ・コーヒーと呼ばれています。

直火式エスプレッソメーカーでおいしいコーヒーを淹れる3つのコツ

ここでは直火式エスプレッソメーカーでコーヒーをおいしく淹れるポイントを紹介していきます。

コーヒーに使う水にこだわる

コーヒーを淹れる際に水道水を使っているという方が多いですが、実は選んだ水でコーヒーの味が大きく変わるのです。

水の種類を大まかに分けると以下の3種類があります。

             

水の種類 硬度 特徴
軟水 0~100mg/L未満 口当たりがまろやかで、サッパリした味。

一般的にコーヒーによく合う水とされ、コーヒー豆本来の味を楽しめる。

中硬水 100~300mg/L 軟水と硬水の中間にあたる水。

適度なミネラルを含みつつも、硬水よりも飲みやすい。

硬水 300mg/L以上 カルシウムなどのミネラルが多く含まれた水で、口当たりが重たく、苦い。

あまりコーヒーには使われないが、エスプレッソには最適な水として、広く使われている。

軟水~硬水の順にミネラル含有量が増えていき、苦く飲みごたえのある水になっていきます。

あなたの好みや使うコーヒー豆に合わせて、水を選ぶことでよりおいしい1杯を淹れることができるはずです。

カップをあたためておく

コーヒーを注ぐ前にカップをお湯で温めておきましょう。

というのも出来立てのコーヒーを注いでも、冷え切ったカップとの温度差でコーヒーの味が変化してしまうためです。

そのため、よりこだわったコーヒーを淹れたい方は事前に使用するカップを温めておいてください。

エスプレッソメーカーは水洗いにする

使用した直火式エスプレッソメーカーは洗剤を使わずに水洗いしてください。

水洗いであれば使えば使うほど、直火式エスプレッソメーカーにコーヒー成分が器具に染み込み、味がよくなっていきます。

洗剤を使ってしまうと、淹れたコーヒーに洗剤や金属の臭いが残ってしまいます。

また、直火式エスプレッソメーカーの素材にはアルミとステンレスの2種類がありますが、アルミの場合、洗い終わったらよく拭いておきましょう。

アルミ製を水分がついたまま放置してしまうと、アルミと水が酸化することで白いしみが付いたり黒く変色したりしてしまいます。

直火式エスプレッソメーカーでエスプレッソを淹れてみた!

ここでは当編集部が実際に直火式エスプレッソメーカーでコーヒーを淹れたときの様子と直火式エスプレッソメーカーの使い方を紹介していきます。

初めて直火式エスプレッソメーカーを使うという方は、ぜひ読み進めてください。

直火式エスプレッソメーカーに必要な道具

まずは直火式エスプレッソメーカーで使用する器具を見ていきましょう。

必要となる器具は以下の8つです。

  • 直火式エスプレッソメーカー
  • ガスコンロ
  • 金網
  • 計量スプーン
  • コーヒーミル
  • コーヒー豆(細挽き)
  • コップ
  • 使用する水(水道水でも可)

ガスコンロ・金網

今回は卓上ガスコンロを用意しました。

自宅で直火式エスプレッソメーカーを使う場合、IHは基本的に対応していないため注意してください。

使用するIHにラジエントヒーターが搭載されている場合は、直火式エスプレッソメーカーを使えるので事前に確認しておきましょう。

金網は使用するガスコンロでは、直火式エスプレッソメーカーが安定しないため用意しました。

少しでも直火式エスプレッソメーカーが倒れる危険性がある場合は、必ず金網を使いましょう。

コーヒーミル

こちらはコーヒー豆を挽くために使います。

コーヒーを淹れる直前に豆を挽くことで、コーヒー本来の味と香りを最大限に楽しめます。

豆を挽く

はじめにコーヒーミルで豆を挽きましょう。

今回は直火式エスプレッソメーカーに向くとされる細挽きで豆を挽きました。

ちなみに使用したコーヒー豆は、ブラジル産の「ブラジル」です。

ボイラーに水を注ぐ

直火式エスプレッソメーカーのボイラー内部にあるバルブの下まで水を注いでください。

フィルターにコーヒー豆をセットする

コーヒーバスケットをボイラーにセットし、コーヒーバスケットをコーヒー粉で満たしてください。

コーヒー粉を少し押さえつけ、均しましょう。

直火式エスプレッソメーカーを組み立てる

ボイラーをサーバーに取り付け、しっかりと固定してください。

直火式エスプレッソメーカーを弱火にかける

直火式エスプレッソメーカーを金網が置かれたガスコンロに乗せ、弱火にかけてください。

音が聞こえたら、火を止める

数分後、抽出されたコーヒーが上部サーバーに溜まってきます。

「ポコポコ」という音がしたら、火を止めてください。

撮影の都合上、開けていますが、危険なので開けないでください。

完成!

サーバーのコーヒーをスプーンなどで軽くかき混ぜたら、完成です。

【水の種類別】直火式エスプレッソメーカーで淹れたエスプレッソの試飲レポート

今回は使う水でコーヒーの味がどう変わるのかを調べるため、以下6種類の水でコーヒーを淹れました。

  • 東京都渋谷区水道水(軟水)
  • 森の水だより(軟水)
  • アクアカルパティカ(中硬水)
  • コントレックス(硬水)
  • 信濃湧水(軟水)
  • コスモウォーター(軟水)

ここからは、コーヒーのレビューを水別に紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

使ったコーヒー豆の特徴

先ほども紹介しましたが、今回、使ったコーヒー豆はブラジル産の「ブラジル」です。

こちらのコーヒー豆は、苦味と酸味のバランスがとれた、まろやかな味が特徴になります。

東京都渋谷区水道水(軟水)

まずは当編集部オフィスの水道水で淹れたコーヒーをチェックしてみました。

この水道水のスペックは、以下のとおりです。

【東京都渋谷区水道水のスペック】

水の種類 硬度 採水地
軟水 77mg/l 埼玉県朝霞浄水場

そのまま飲むと、若干のカルキ臭と酸味が気になりましたが、やわらかい喉越しです。

では、この水道水で淹れたコーヒーのレビューを見ていきましょう。

【レビュー】

▼Sさん
酸味が少し強いですが、後味がスッキリとしていて飲みやすかったです。

▼Iさん
酸味と苦味のバランスが良く、クセがありませんでした。

森の水だより 日本アルプス(軟水)

次に同じ軟水である「森の水だより 日本アルプス」で淹れたコーヒーを飲んでみました。

この水のスペックは以下のとおりです。

【森の水だより 日本アルプスのスペック】

水の種類 硬度 採水地
軟水 34.6mg/l 山形県白州町

水としては、クリアでまろやかな味わいでした。

この軟水の硬度は先述した水道水よりも下回っていますが、この違いがコーヒーにどう変化を与えているのでしょうか?

レビューで確認していきましょう。

【レビュー】

▼Tさん
程よい苦味と酸味があり、全体的にサッパリしていました。

▼Oさん
バランスはとれていると思いますが、若干、酸味が気になりました。

アクアカルパティカ(中硬水)

こちらの水のスペックは以下の表をご覧ください。

【アクアカルパティカのスペック】

水の種類 硬度 採水地
中硬水 186mg/l カルパティア山脈

水としては雑味がなく、マイルドな味わいでした。

この水は今まで紹介してきた軟水よりも硬度があがっており、コーヒーの味にもその変化があるはずです。

さっそくレビューを見ていきましょう。

【レビュー】

▼Yさん
苦味が強く、かなりの飲みごたえがありました。

▼Iさん
オイリーで全体的に味が濃いため、朝向きだと思います。

コントレックス(硬水)

この水のスペックは以下のとおりになります。

【コントレックスのスペック】

水の種類 硬度 採水地
硬水 1,468mg/l コントレクセヴィル

そのまま飲むと、苦く重い飲み心地でした。

コントレックスは硬水の中でも特に硬度の高い水なので、非常に苦いコーヒーに仕上がるのではないかと予想されます。

それでは、レビューで実際のところはどうなのかを確認していきましょう。

【レビュー】

▼Tさん
非常に苦く飲みごたえがあるため、ゴクゴクと飲める感じではありませんでした。

▼Sさん
コクがあるのは良いのですが、すごく苦くて重かったです。

信濃湧水(軟水)

次に当編集部オフィスで使っているウォーターサーバーの「信濃湧水」で淹れたコーヒーを飲んでみました。

こちらの水のスペックは、次の表をご覧ください。

【信濃湧水のスペック】

水の種類 硬度 採水地
中硬水 16mg/l 矢沢水源

水としては、爽やかでスッキリとした味わいでした。

では、レビューを見ていきましょう。

【レビュー】

▼Iさん
苦味・酸味はあるのですが、さっぱりしているので飲みやすかったです。

▼Oさん
甘味があり、まろやかでした。

コスモウォーター(軟水)

続いて、当編集部オフィスにあるもう一つのウォーターサーバーの「コスモウォーター」で淹れたコーヒーをチェックしてみました。

この水のスペックは以下のとおりです。

【コスモウォーターのスペック】

水の種類 硬度 採水地
軟水 53mg/l 静岡県御殿場市

水のまま飲むと、クリアでなめらかな味でした。

コスモウォーターは前述した信濃湧水よりも硬度が上がっています。

この違いがコーヒーの味にどんな影響を与えているのか、レビューで確認していきましょう。

【レビュー】

▼Tさん
ほどよい酸味とコクがあり、おいしかったです。

▼Yさん
後味がすっきりしていて、クセがなくおいしいです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は直火式エスプレッソメーカーの基礎知識やおいしく淹れるコツなどを紹介しました。

本記事の重要な点は、以下の3つです。

ここがポイント

  • エスプレッソではなく、厳密にはモカ
  • 選んで水でコーヒーの味が左右される
  • 直火式エスプレッソメーカーは水洗いする

この記事を参考に直火式エスプレッソメーカーでおいしいコーヒー作りに挑戦してみてくださいね。

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