「万が一の災害に備えて非常食を買っていたものの、賞味期限を切らしてしまった経験がある…。」
このような方に向いているのが「ローリングストック法」を用いた備蓄です。
そこで、
「備蓄に最適なやり方がわからない」
「ローリングストック法がいいと聞くけどどんなもの?」
などの疑問を持っている方のために、詳しいローリングストック法のやり方やメリット・デメリットなどについて紹介しましょう。
この記事を読むことにより備蓄についての理解が深められ、災害発生時に備蓄面で困りにくくなるので参考にしてみてくださいね。
目次
ローリングストック法って何?
ローリングストック法とは、いざ備蓄していた非常食が必要になった時に「賞味期限が切れていて使えない」などのトラブルを回避する備蓄法です。
ローリングは「回転」、ストックは「蓄える」といった意味を持ちます。
ローリングストック法のやり方は次の通りです。
- 普段から少し多めの食材を購入し備蓄
- 備蓄していた食材を定期的に消費
- なくなったら新しい食材を補充する
上記を繰り返すことにより、常に安心して食べられる状態を保つことができます。
ローリングストック法の5つのメリット
ローリングストック法は多くの方が実践しています。
それには、次の5つのメリットがあるからです。
どのような点で魅力的なのかについてみていきましょう。
1. 賞味期限切れの心配がなくなる
定期的に新しい非常食と入れ替えるため、賞味期限が切れる前に消費できます。
しっかりと備蓄をしているつもりではいるものの、いざ必要な時になってから賞味期限が切れていて使えなかったという方は少なくないのです。
こういったことがなくなるのもローリングストック法の大きなメリットだといえるでしょう。
2. 災害時に役立つ
ローリングストック法によって備蓄する食品類などは、災害時に欠かせない品ばかりです。
災害はいつ発生するかわかりませんよね。
特に大きな災害の場合は数日にわたって飲み水すら確保できないケースもあります。
ですが、しっかりとした備蓄があると災害時でも備蓄をしていなかった人に比べて安心して生活ができるようになるでしょう。
3. 食べ慣れた食品を取り入れられる
一般的に長期の保存に向いている非常食といえば、普段食べなれていない食品ばかりです。
災害時にこういった備蓄ばかり食べていると味気なく感じたり、普段の味が恋しくなることもあります。
ローリングストック方なら普段食べている食品を備蓄に回すことができるので、災害時の食品に関するストレスも感じにくくなるのがメリットです。
非常食をローリングストックに回しても良いのですが、この場合も定期的に非常食を食べることにより味に慣れておくことができます。
4. 賞味期限が短い食品でも取り入れられる
非常食は保存期間が長い食品を選択する方が多いですよね。
また、「賞味期限が切れたときにまとめて交換できるように」と、同じくらいの賞味期限の非常食をそろえて備蓄する方も少なからずいるでしょう。
しかし、ローリングストック法なら定期的に消費することもあり、一つひとつの賞味期限にこだわる必要もなくなります。
それだけ選択できる非常食の幅が広がるのもメリットです。
5. 賞味期限切れに追われることがない
非常食を用意していたけれど消費することなく賞味期限まで迫ってしまったようなケースでは、備蓄していた食品を賞味期限前に食べなければなりませんよね。
例えば、いざというときのために缶詰を大量に購入していたようなケースでは、毎日のおかずが缶詰になってしまうこともあります。
こういった経験がある方にもローリングストック法が向いているでしょう。
ローリングストック法の2つのデメリット
とても便利なローリングストック法ではありますが、デメリットについてもおさえておかなければなりません。
ここでは、デメリットを2つ紹介するのでチェックしておきましょう。
1. 調理器具必要とする食品が多い
一般的な災害用非常食として販売されているものは特別な調理器具を必要とせず、それだけでも食べられるようになっている食品が多いです。
一方ローリングストック法では、先述したように日常生活で馴染みのある食品をストックできるメリットがあります。
しかし、ローリングストック法に活用しやすいインスタント食品はガスコンロやお湯、器などを必要とする場合が多いです。
普段から口にすることが多い食品を備蓄に回せるのはメリットですが、その分、用意しておかなければならない調理器具や食器にも目を向けておかなければなりません。
2. 保管スペースの問題
ローリングストック法の活用には、多少の物品保管スペースが必要です。
スペースがたくさんある家なら問題ないのですが、以下3つのような場合では、保管スペースについて考えなければなりません。
- 一人暮らしの方
- あまり大きくない家に暮らしている方
- 家族の人数が多くてたくさんの備蓄を必要とする方
さらに、一般的な非常食ではなく、レトルト食品などの調理器具を必要とするローリングストック法を実践する場合は調理器具のスペースも必要になります。
災害時も安心!ローリングストック法の5つのポイント
実際にローリングストック法を実践することにした場合、5つのポイントがあります。
初めて取り組む時でもここさえおさえておけば大きな失敗をすることはないでしょう。
1. 1週間分の食糧を備蓄しよう
災害時にライフラインが復活するまでには1週間ほどの時間がかかることが多いです。
そのため、食糧は1週間分ほど用意しておけると安心できます。
また、飲料水は、1人1日3L準備しましょう。(出典:内閣府 防災情報のページ)
ただ、ローリングストック法でお湯を活用するインスタント食品などを多めに用意している方は、更に多めの水を備蓄しておいた方が安心できるでしょう。
備蓄しておく食品は常温保存が可能で水を使わずにそのまま食べられるタイプだと理想的です。
水分に加えて栄養素も補給できるゼリータイプの飲料も向いています。
2. 月に1~2回消費する
使った分だけ補充するといっても、毎日行うわけではありません。
日常的に使ってしまうと、「買い足していないけれどそのうち買えば良いよね」といったことが多くなり、結果的に不足してしまいがちです。
毎月1~2回、定期的に非常食を食べる日を決め、この日に家族の人数×1食分を消費しましょう。
この時、家族と意見を出し合ってみると良いですね。
おいしくないものは次回別の商品に買い換えるなどしてみましょう。
3. 災害時を想定して選ぼう
災害時のことを考えると、次の3つの条件を満たしているものを選択しておくことが理想的です。
- 常温保存できるもの
- 賞味期限が1年程度のもの
- 調理が必要ないもの など
冷蔵庫や冷凍庫で保存しなければならないものは災害時に停電が発生するとすぐにダメになってしまうので注意が必要です。
また、定期的に食べて補充するといっても賞味期限は最低1年程度ある食品の方が安心できるでしょう。
調理機能が必要な食品はそれだけ準備する調理器具も多くなるので、気をつけておいてくださいね。
4. 定期的に賞味期限を確認する
ローリングストック法の基本は、古いものから食べるということです。
古いものはストックしている棚の前に出し、補充のために購入してきた非常食は奥に入れましょう。
ただ、どれが正しいのかわからなくなってしまうこともあるので、定期的に賞味期限をチェックしておくと良いですね。
しっかりとローリングストックができているのならそれほど心配する必要はありませんが、入れ替えついでに確認しておきましょう。
5. 調理器具を備えておくと良い
調理器具は普段の生活の中でも活用できるシーンがあるので、使いながら備蓄をするのにも向いています。
特に災害時に役立つ調理器具といえば、次の2つです。
- カセットコンロ
- カセットガスボンベ
たまに使うようにすれば、いざ使いたい時に壊れていたといった心配もありません。
カセットコンロがあれば温かい料理も食べられますよね。
カセットボンベも多めに用意しておきましょう。
ローリングストックするおすすめの備蓄品5つをリストアップ
フローリングストックをする際に、特に注目しておきたいものが5つあります。
最低限用意しておきたいものでもあるので、しっかりチェックしておいてくださいね。
1. 水
何よりも確実に備えておかなければならないのが水です。
水を備蓄するのには、大きく分けると次の3つの方法があります。
- ペットボトル
- バッグインボックス(以下BIB)
- ウォーターサーバー
定期的にペットボトルを購入してくるのも良いのですが、災害時には大容量の水がストックしやすいBIBや、定期配送で新鮮な水をストックしやすいウォーターサーバーもおすすめです。
2. 米
日本人なら米も用意しておきたいですよね。
ストックしておくと便利なのが次の2種類です。
- 無洗米
- アルファ化米
無洗米とは、洗わなくても良い米のこと。
災害時で水が貴重な時にそのまま炊けるのが魅力です。
アルファ化米とは、調理済みのお米を乾燥させたもののことで、洗米だけでなくつけ置きの必要もありません。
炊くのも簡単なので、用意しておいてはどうでしょうか。
3. インスタント食品
インスタント食品もあると便利です。
代表的なものは次の3つ。
- インスタント麺
- レトルト食品
- フリーズドライスープ
インスタント麺はお湯も必要としますが、レトルト食でパウチタイプになっているものはお湯を使いまわせるので良いですね。
フリーズドライスープは重量もなく、たっぷりの野菜が入っている商品だと栄養素も取れます。
水分がないため腐りにくく、長期保管に向いているのも魅力です。
4. 軽食
主食についてだけでなく、軽食についても考えておきましょう。
次の2つは災害時に不足しがちな栄養を補助する目的でも重宝します。
- 栄養補助食品
- ゼリー飲料
災害時はどうしても栄養素が偏りがちなので、こういったものでビタミンやエネルギーを取り入れていきましょう。
長期保存に向いている商品も多いです。
5. 甘いもの
もう一つ備蓄しておきたいのが甘いものです。
次の3つは長期保存にも向いていてストックしやすいといえるでしょう。
- 飴
- ようかん
- チョコレート
災害時は精神的に疲れてしまうことも多く、ストレスも感じます。
人は疲れた時に甘いものを求めますが、これは甘い物に含まれているブドウ糖がリラックス効果のある物質セロトニンを作るのに欠かせないからです。
災害時に食べられる甘いものを用意しておき、ストレス緩和に役立てましょう。
ウォーターサーバーなら水のローリングストックが簡単!
何よりも重要な水をローリングストックする際に便利なのがウォーターサーバーです。
備蓄水といえばペットボトルのイメージを持っている方も多いですが、例えば家族4人が1日に必要な水は1Lのペットボトルだと約12本。
1週間分用意するとなると84本も必要です。
これらすべてを賞味期限を切らさずに保管するのは大変なことですよね。
ウォーターサーバーならボトルの容量が多いので、効率よく水を備蓄することができます。
定期配送のウォーターサーバーがおすすめ
ローリングストック法を活用するには、水の定期配送をおこなっているウォーターサーバーが最適です。
定期配送を利用すると、自動的に一定の期間を空けて水が届きます。
届いた水の中から古いものを優先的に使い、賞味期限の長く残っている水は備蓄水として回すと良いですね。
このように、定期配送のウォーターサーバーを選択すると、特に意識することなく自然とローリングストック法を実践することができます。
近年では、多くのウォーターサーバーが定期配送に対応しているので、あなたに合った機種を検討してみてくださいね。
- コスモウォーター
- フレシャス
- プレミアムウォーター
水のローリングストックについて3品を徹底比較
水を備蓄する際の代表的な方法について、次の3つを比較しました。
- ペットボトル(アルカリイオンの水)
- BIB(プレミアムウォーター)
- ウォーターサーバー(フレシャス)
参考にしてみてください。
ペットボトル | BIB | ウォーターサーバー | |
---|---|---|---|
商品名 |
キリン アルカリイオンの水 |
プレミアムウォーター BIB |
フレシャス SIPHON+ |
水の量 | 2L/本 | 10L/箱 | 7.4L/個 |
水の価格 |
120円/本 ※定期購入…114円/本 |
1,600円/箱 ※定期購入…1,500円/箱 |
1,155~1,170円/個 ※天然水の種類により異なる |
1週間分の値段 ※1日3Lとして算出 |
1,320円~ | 3,200円~ | 3,465円~ |
賞味期限 ※未開封時 |
1年 | 6ヶ月 | 6ヶ月 |
停電時の使用 | ○ | ○ | ○ |
定期配送 | ○ | ○ | ○ |
その他 |
▼持ち運びしやすい ▼空容器を繰り返し使える |
▼水を積み重ねて収納できる ▼持ち運びしやすい |
▼軽量のウォーターパック ▼水の持ち運びはしやすい ▼水を積み重ねて収納できる |
費用だけを見るとペットボトルが断然お得ですが、ローリングストックしやすいか?について考えるとウォーターサーバーが優れているといえるでしょう。
災害時だけでなく、普段から冷水・お湯も使えるので便利です。
災害時にも活躍するウォーターサーバーを、以下の記事にて詳しく紹介しているので、あわせて目を通してみてくださいね。
ローリングストック中の水はどう収納すればいいの?
災害時にたくさん水を備蓄しておいた方が良いのはわかるものの、保管場所が思い浮かばない…という方もいるはず。
確かに、たくさんの水を備蓄するとなると、スペースが必要です。
ワインラックに収納したり、段ボールに入れて積み重ねるのも良いですね。
段ボールで重ねた後に布などをかぶせ、棚のように見せてしまうのも人気の方法です。
クローゼットの空きスペースに入れるのも良いのですが、ローリングストックしやすい位置に置くようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
万が一の災害に備えるためにも便利なローリングストック法について紹介しました。
おさらいすると、特に重要なのは次の3点です。
- ローリングストックは賞味期限切れを防ぐのに最適
- 調理器具や、その他の防災グッズにも目を向ける必要がある
- ローリングストックで水を保管するならウォーターサーバーもおすすめ
いつ来るかわからない災害のためにしっかり非常食を備えたい方は、この記事を参考にしてローリングストックに挑戦してみてくださいね。